
こんにちは!mitsumaru300です!!
去年よりも2週間ほど遅れて加計呂麻島も梅雨明けしました!これで少しは海も穏やかになってくれるとうれしいです。これからは猛暑となるので、生活でも釣りでも熱中症に注意していこうと思います。
今回の内容は、前半に3種の魚を釣り、切り身を観察し寄生虫がいるかチェックし、後半に寄生虫を除去し、安全に食べる工夫を紹介していこうと思います。

すべての魚に寄生虫がいると思って対処すれば、安全に美味しく魚を食すことができると思います。

それでは、今週の動画はこちら!!
動画詳細
釣り天気:曇り時々晴れ 小潮:満潮~干潮 風:1.5m/s 波:0.5m
釣り日和の天候です。

左:アカハタダブル掛け 中央:リリース 右:寄生虫ペンネラ頭部? Ⓒ2019mitsumaru300
まず最初に釣れたのが浅場でのアカハタ。ダブル掛けで登場です。カプリスキッド75gシルバーに喰いついてくれました(左上)。小さい方はまた大きくなって帰ってきてもらいたいと思います(中央)。右上画像のハタの背びれ基部の身の部分に黒いものがついています。たぶん、寄生虫「ペンネラ」の頭部部分かと思われます(右上)。寄生虫については後半に詳しく記載しますね。

左:あまり引かない魚 中央:鋭い歯 右:オオカマス Ⓒ2019mitsumaru300
次に釣れた魚もカプリスキッド75gシルバーに喰いついてくれました(左上)。とてもするどい歯をしています(中央)。よくフックのラインが切られずに釣れてくれました。全体像をみるととても細い魚体ですね、この魚の名はオオカマスです(右上)。掛かった瞬間は少し引きましたが、その後はとても軽い引きでした。ヒレが小さいからでしょうか。

オオカマス:肋骨周囲の身の広範囲に黄色い棒状の寄生虫が目視できる Ⓒ2019mitsumaru300
このオオカマスの切り身をみてみると、、、黄色い棒状の寄生虫が広範囲に肋骨周囲の身にたくさんついています。腹の部分は左右とも全滅の予感がします。

ただでさえ身幅のない魚なのに残念です。

オオヒメ Ⓒ2019mitsumaru300
さらに釣れた魚は「オオヒメ」(左上)。エビングに喰いついてくれました(右上)。

オオヒメ切り身:黄色い棒状の寄生虫が背びれ基部と肋骨周囲の身で目視できる Ⓒ2019mitsumaru300
この切り身を見てみると、オオカマス同様に黄色い棒状の寄生虫が背びれ基部の身、肋骨周囲の身にびっしりとついています。

結果、今回釣れた3種の魚全部に目にみえる寄生虫がいました。

これからは、魚を食べるときは全ての魚に寄生虫がいるという考えを持ち、下処理を注意深くしていくことが大切ですね。特に生食である、刺身や酢〆などは要注意です。
寄生虫について

今回登場した寄生虫は2種類。アカハタについていた黒い色の「ペンネラ」とオオカマスやオオヒメについていた黄色い棒状の「ディディモゾイド」です。
ペンネラ
著作権フリー画像がなかったので、詳しく知りたい方はこちらからご確認ください。現在21種類の寄生虫をまとめてくれています。
寄生する魚: メカジキ・カジキ・サンマ・小型の魚にも寄生することもある。
寄生する場所: 錨状の頭部を筋肉に食いこませ、尾部を魚対外に出している。突き刺さった状態になっている。
人への被害: 人には寄生しない。
特徴:ペンネラの仲間は種類多い。
魚に寄生するのは雌のみ。大きいものは10センチにもなる。
ディディモゾイド
寄生する魚: カジキ・サバ・カツオ・マダイ・トビウオ、クロマグロ・メカジキなど
寄生する場所 :エラ、ヒレ、口腔、筋肉、卵巣、腹腔など
人への被害 :人には寄生しない。
特徴: 棒状、球形、紐の塊状等、形は様々で多くは袋に入っている。魚の皮と身の間にもいる。
寄生虫除去
それではさらに詳しく3種の切り身をみて、寄生虫を除去していきましょう!
アカハタ

アカハタ:包丁の先に黒い点がある。ペンネラの頭部部分と思われる。Ⓒ2019mitsumaru300
背びれ基部の身にある黒い点、これは寄生虫ペンネラが身に食い込んで頭部のみが残った物かと思われます。
除去方法

アカハタ:黒い部分を包丁で切る。見た目より奥深くまであるのでしっかり切除する Ⓒ2019mitsumaru300
基本的に目に見える部分を包丁やハサミでカットしていきます。見た目よりも奥まで入り込んでいるので、黒い部分が無くなるところまで切っていきましょう。
オオカマス

オオカマス:肋骨周囲の身に潜む寄生虫ディディモゾイド。矢印の集団部分から人差し指のところまで広範囲に目視できる Ⓒ2019mitsumaru300
身幅が狭い上に、黄色い棒状の寄生虫「ディディモゾイド」が内臓を包む肋骨(腹骨)周辺の身にびっしりと広範囲についています。上画像の矢印部分は黄色く見えると思いますが、実際には人差し指まで黄色い棒状の寄生虫が視認できます。

腹部の部分はほぼ全滅ですね。
除去方法

オオカマス:ディディモゾイドを目視できる範囲を除去する Ⓒ2019mitsumaru300
こちらも寄生虫がついている部分は包丁やハサミで切っていきます。
オオヒメ

オオヒメ切り身:ディディモゾイドが背びれ基部と肋骨と背骨周囲に目視できる Ⓒ2019mitsumaru300
今回釣れた魚で主役の魚だったのですが、寄生虫の付き具合も主役になってしまいました。背びれ基部の身部分にびっしりと寄生虫「ディディモゾイド」がついています。さらに背骨近くの肋骨周囲にかなり寄生虫がついています。この部分は左右の切り身の中心なので身をかなりカットしなくてはいけません。
除去方法

オオヒメ切り身:背びれ基部の目視できるディディモゾイドが寄生する部分を切除する Ⓒ2019mitsumaru300
背びれ基部の身部分は簡単に包丁でカットできます。

オオヒメ切り身:左右の身の中心部に広がるディディモゾイド Ⓒ2019mitsumaru300

問題は背骨近くの肋骨周囲の身ですね。左右の切り身の中心に寄生虫が広がっています。頭部側から尾側方向へどこまで広がっているのかが問題になります。

Ⓒ2019mitsumaru300
とりあえず切り身を半分ぐらいに切ります(左上)。切った断面を見てみると寄生虫は見えません(右上)。

Ⓒ2019mitsumaru300
さらに頭部側を切ってみると(左上)、その断面にも寄生虫はみえません(右上)。

このぐらいなら捨ててもいいと思ったのでこれ以上は切らず捨てました。なんとか食べる部分が残ってよかったです。
寄生虫つきの魚の食べ方

基本的に、すべての魚には寄生虫がついていると考えて下処理、調理をした方が良いと思います。
これは自分で釣った魚も、売っている魚も同じことです。今回紹介したペンネラやディディモゾイドは人体に寄生したり、食中毒などを引き起こす寄生虫ではありませんでしたので、肉眼で確認できる範囲で除去すれば見た目も精神的にも安心して食すことができました。

さらに安心して食べるには以下の5つの工夫をするとよいと思います。
参考・引用
北海道立縦研究所感染病理科 後藤明子
平成 22 年度食品安全確保総合調査「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」
②-20°以下、24時間冷凍(家庭冷凍庫は48時間推奨、アメリカでは7日間推奨)
この①②でほとんどの寄生虫は不活化されます!!
③切り身を薄く切る
④よく噛む
⑤口に運ぶときにもしっかり見る!

今回は登場しませんでしたが、経口摂取により直接人体へ影響する寄生虫の代表格は「アニサキス」、「日本海裂頭条虫」、「ナナホシクドア」といったところでしょうか。

アニサキスと日本海裂頭条虫は①②で不活化できます。ヒラメの寄生虫で有名になったナナホシクドアは「-15℃~-20℃・4時間以上の冷凍または75℃・5分間以上の加熱」で無毒化できるということです。
こういった知識を持ち、魚の下処理、調理をして安全に食すことができれば、これからも食糧調達のための釣りを続けて行けそうです。今回もよい学びとなりました。
ということで本日はここまで。
加計呂麻島のきのこ・しいたけ作り【kakeroma nature】
最後まで読んでいただきありがとうございました!

mitumaru300でした!!